【潜入!】まいぷれ江南・犬山・岩倉・大口・扶桑 編集部が行く!
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「まいぷれ江南」の編集長として地域を奔走していると、ある「不思議な現象」に直面します。
犬山市内の至る所で行われるイベントや会議、あるいは何気ない街角で、とにかく頻繁に犬山市の原欣伸市長のお姿を見かけるのです。それだけではありません。地域の経営者や諸団体の代表の方々と会話をすれば、決まって「昨日、原市長と直接会ってこんな話をしたよ」といったエピソードが次々と飛び出します。
一市のリーダーでありながら、これほどまでに市民や経営者と同じ目線で、文字通り「現場」に居続ける市長は他に類を見ません。
なぜ、原市長はそこまで現場にこだわるのか? その驚異的なフットワークの軽さの裏にある、市長としての信念を直接伺いたい。そんな編集部の熱い想いから、今回のインタビューは実現しました。
折しも犬山市では、令和8年3月に一般会計が過去最大となる313億9,000万円余の当初予算が可決されたばかり。物価高騰から子育て、文化、インフラ、そして「女性が輝くまちづくり」まで。原市長が描く犬山のグランドデザインを、編集長が深掘りしました。
「今回の予算テーマは、『必要なところにくらしを支える予算』です」と、原市長は力強く語り始めました。
世界的な物価高騰の影響が続く中、市長が最も優先したのは「市民の生活実感」を守ることです。「今だけ、ここだけ良ければいいという場当たり的なものではなく、今ある安心をしっかりと担保した上で、犬山の未来の成長を止めない。その両輪を回すための編成にしました」
具体策として、全市民を対象とした1人3,000円の商品券配布を実施。さらに、固定収入の中でやりくりし、インフレの影響を直接受ける65歳以上の高齢者層には3,000円を上乗せし、6,000円を配分します。 「高齢者の皆さんは地元で買い物をしてくださる方も多い。これが地域店舗の活性化にもつながり、犬山全体にお金が回る仕組みになります」
また、上水道基本料金の6ヶ月無料化や、小中学校の給食費完全無償化、さらには高齢者世帯への高効率エアコンへの買い替え補助やタクシー利用料の半額補助など、全世代の「くらしの質」を底上げする支援を、令和8年度も強力に推進しています。
注目は、4月1日にヨシヅヤ犬山店2階にオープンした屋内型キッズスペースです。ここには原市長ならではの「現場主義」が生きています。
「子どもは遊びの天才ですから、どんな場所でも楽しく遊べます。でも、連れてくるのは親御さんや、おじいちゃん、おばあちゃん。付き添う大人が『ホッとできる』空間にしたかったんです」
雨の日も猛暑の日も、気兼ねなく親子で過ごせるサードプレイスの誕生は、子育て世代の大きな助けとなるはず。さらに、屋外の「ひばりヶ丘公園」では、1歳から6歳まで遊べるゾーニングや、障がいの有無にかかわらず誰もが遊べるインクルーシブ遊具の導入を完遂させました。「屋内と屋外、両方の選択肢がある。それが犬山の暮らしやすさにつながる」と、市長は自信を見せます。

ヨシヅヤ犬山店2階にオープンした屋内型キッズスペース

「わん!だーらんど」

屋外の「ひばりヶ丘公園」
原市長が今、新たなまちづくりのキーワードとして掲げているのが、「女性の生活価値」という視点です。そのきっかけはある一つのエピソードでした。
「城下町に『パンとエスプレッソと』という人気店ができた際、ある現象が起きました。東京を中心に全国展開する有名店ですが、愛知県初進出として犬山を選んでくれた。すると、『そのお店で働きたいから』という理由で、県外から犬山へ引っ越してくる女性が現れたんです」
市長はこの出来事に、これからの街づくりの大きなヒントがあると感じたと言います。 「女性が『ここで働きたい、自己実現したい』と思える魅力がある場所には、自然と人が集まります。女性が暮らしやすく、働きやすいまちは、自ずと安全で、スマートで、誰もが心地よい都市構造になっていく。ITやクリエイティブな職の創出、住む・働く・学ぶ・遊ぶが一体となったデザインを具体化することで、性別を問わず、誰もが自分らしく輝けるまちとして犬山を再定義していきます」
インタビュー中、原市長が何度も口にしたのが「ちょうどいいまち、犬山」という言葉です。
「犬山ほど条件の揃ったまちは他にないと思っています。人口規模もちょうどいいし、地域資源も豊富。里山があり、母なる木曽川があり、歴史的な城下町がある。都会すぎず田舎すぎない、このバランスこそが最大の魅力です」
さらに名鉄の駅が市内に7つもあり、名古屋や岐阜へのアクセスも抜群。「南海トラフ地震の被害想定が愛知県内で最も低いという強みもあります。この恵まれた条件を生かして、『訪れるまち』から『住み続けるまち』へとさらに転換させていきたい。近きもの喜びて遠きもの来る――まずは住んでいる人が喜ぶまちにすることが、何より大切だと思っています」
「まちが成長する上で、感性を刺激するものが身近にあることは非常に大切です」と語る市長。この秋、大規模改修を終えた犬山市文化会館と南部公民館がリニューアルオープンします。愛知県の国際芸術祭(トリエンナーレ)と連携したアートプロジェクトやNHKの番組収録など、日常の中で質の高い文化に触れる機会を創出します。
また、中日ドラゴンズ2軍本拠地の誘致についても「日常の中にプロのスポーツがある豊かさを実現したい。学校帰りに野球が見られる、まちで選手に出会える。そんなワクワクする環境が、子どもたちの夢を育みます」と、挑戦を続けています。
インフラ面でも、国道41号の6車線化に合わせた五郎丸東一丁目地区の約10ヘクタールの土地区画整理事業による大規模開発や、羽黒地区の新しい道路(蝉屋長塚線)の整備を推進。「これまで『どん詰まり』だった道路を結び、新しい人の流れを作ることで、まちの心肺機能を高めていきます」
「なぜそれほどまでにフットワークが軽いのですか?」という問いに対し、市長は「常に現場主義、常に発言主義」というフレーズを掲げ、さらりと答えてくれました。
しかし、その「さらり」とした行動の積み重ねこそが、地域の経営者や市民との厚い信頼関係を築いているのだと、取材を通じて確信しました。現場に足を運び、自ら対話し、そこで得たヒントを即座に政策へと反映させる。そのスピード感こそが、犬山市の新しいエネルギーの正体です。
ちょうどいいまち、犬山。そのポテンシャルが今、原市長の情熱によって、最大級の「ワクワク」へと姿を変えようとしています。
(取材・文/まいぷれ江南 編集長 尾花英隆)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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